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民間交流−女性たちとの出会いに期待

 はじめて祖国を訪問したのは89年の夏だった。

 第13回世界青年学生祭典に参加するため平壌に到着。光復通りは祝典を盛り上げるため駆けつけた在日同胞たちで賑わっていた。祝典には世界180カ国から来た青年学生ほか、中国、(旧)ソ連、ドイツ、米国などから海外同胞たちも多数参加した。ドイツから来た少女は同い年だったが、朝鮮語を話せず、私のチマ・チョゴリを羨ましそうになでていた。幼い頃、南朝鮮から養子に出された彼女に、ドイツの両親が「良い機会だから」と祝典参加を促したという。米国から来た青年は5歳のとき渡米した。

 「在日3世」の私が朝鮮語で話すのを彼らは驚いた様子で眺めていた。そうした出会いは、私にとっては初めての海外同胞との触れ合いでもあり、わが民族を取り巻く歴史の理解へのきっかけにもなった。

 具体的な「人」を知ることは、その人とその人の背景を理解する上でとても大切なことである。

 26日から「朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会」(清水澄子代表)のメンバーらが朝鮮を訪問する。メインは現地の女性たちとの交流。「朝鮮の女性たちと触れ合い、お互い顔を見て話をすれば、これまで見えなかったものが見えてくるはず。テレビや新聞、雑誌を通じて刷り込まれてしまった朝鮮に対する良くないイメージを変える良い機会だと思う」と事務局長の小川ルミ子さんは話していた。

 「敵対から友好、対立から協力へ」という小泉首相の姿勢を、実践をもってアピールするよい機会になることを期待する。(潤)

[朝鮮新報 2004.8.23]