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朝鮮語の使用−子どもたちの「お手本」に

 先日、西東京朝鮮第2初中級学校で音楽の特別課外授業「民族の音色を楽しもう!」が行われた。

 同校では週5日制の導入により毎月1回、社会見学などの特別授業を行っている。今回は金剛山歌劇団の若手俳優らを講師に招き、全校生徒が朝鮮の民族芸術を直接見て、聞いて、体験した。

 生徒たちの多くは在日3世、4世である。同じく若手教員および歌劇団の俳優たちも在日の新世代。

 朝鮮学校では校内で朝鮮語の使用を義務付けているが、日本語で覆われた環境の中で育った者たちにとって日常会話をすべて朝鮮語でするのは容易なことではない。

 日頃、教壇に立ち、生徒と接している教師ならともかく、専門知識を持っているとしても、相手が民族楽器や朝鮮舞踊に関してはまるでわからない子どもとなると説明するのは一苦労である。そんな中歌劇団の若手俳優たちは「プロ」として、「先生」として、生徒たちに民族楽器や朝鮮舞踊の特徴などを身振り、手振りを交えて熱心に伝えていた。

 子どもたちにとっては学校で出会うすべての人が「先生」である。だから教師だけではなく学校で子どもに接する大人たちはなるべく彼らの「お手本」になるよう心がけねばならない。

 朝鮮学校を卒業した後はなかなか日常的に朝鮮語を使う環境がない。しかし、子を持つ親を含めてすべての「新世代」たちが、後代のためにも朝鮮語を使うための努力をし続けなければ、朝鮮語は日本の風土にいつのまにか埋もれていくしかないだろう。

 そこに挑戦しようとする西東京第2初中の果敢な取り組みに拍手を送りたい。(潤)

[朝鮮新報 2004.6.21]