読書−千金に値する一冊を |
このごろ読書についてよく聞かれる。おそらく、本誌に載る本の紹介記事を見て、興味を持たれてのことだと思う。 「1カ月にどれくらい本を読むの」「今、どんな本を読んでいるのか」「どんな本が好きなの」etc。 1カ月にどれくらい読むかは意識したことも数えたこともないが、面白い本、話題の本はとりあえず、買ったり、借りたりして読むようにしている。買うほどのことはないが、少し興味を持つ本は「立ち読み30分」でほとんど斜め読みをしてしまう。(いつも買っている本屋なので、大目に見てくれます!) 一番好きなジャンルはやはり歴史もの、特に「古今東西」の女性史に興味を引かれる。小説、評論、詩、漫画何でも抵抗感はないが、ハウツー本は読む気がしない。 子どもの頃、寝る前にオモニから朝鮮の昔話をよく聞かされた。それが物語や本への関心を自然に育んでくれたような気がする。朝鮮の歴史、勧善懲悪ものや怪談など幅広いジャンルの話をオモニが聞かせてくれるので、夜がワクワク待ち遠しかった。オモニの横に誰が陣取るかを巡って兄弟ゲンカして叱られもした。思い返せば一番幸せな頃だったかも知れない。 本は未知の世界を切り開く扉であり、生きていくうえの力や勇気や知恵を与えてくれる命の泉のような気がする。 本紙の「読書欄」で紹介する本は、劇的に動く国際情勢を反映するものや日本の戦争体制を批判したり、日朝関係を解説するものが多い。 日本のメディアが「権力の侍女」化している中で、本紙が取り上げる本は、千金に値すると自負する。よりいっそうのご愛読をお願いしたい。(粉) [朝鮮新報 2004.6.14] |