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関西地方を中心に出張に行ってきた。久しぶりの外回りであったが、やはり現場から学ぶことは多々あった。今回の出張では、主に本部の活動家の方々にお会いし、8カ月運動の進行状況などを聞いた。民族教育と民族性の固守、高齢者問題を中心とした福祉の充実と同胞奉仕という2つの中心課題をいかに実現させていくか−各地の状況に合わせて工夫を凝らして、それを推し進めていた ▼情勢は依然として厳しい。年末に来てその厳しさはむしろ増しているといっても過言ではない。現場に行けば、その厳しさはずしんと響いてくる。しかし、そんな中でも、現状に嘆くことなく自力で乗り越えていこうという気概を、各地域で感じることができた ▼同胞社会の動きが、良しにつけ悪しきにつけ、情勢の影響を受けることは必至だ。まして、近年のように厳しい情勢が続くと、少なからず「敗北感」にさいなまれることもある。だからといって、情勢が好転するのを、手をこまねいて待つばかりでは、現状を打開できない、がんばって現状を打開していこう−そんな強さ、たくましさが伝わってきた ▼朝鮮で出版されている「江界精神」という小説では、建国以来最大の難関だったといわれる「苦難の行軍」時代、自力更生で困難を乗り切った慈江道の人々の苦闘が描かれている。その自力更生の精神が、在日社会でも息づいている ▼とは言え、精神論だけで活動しているわけではない。ここで言う「自力更生」は方法論も自分たちで生み出していること。そこに同胞社会の未来の可能性を感じる。(聖) [朝鮮新報 2004.12.21] |