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春・夏・秋・冬

 「息子がアボジの遺骨を持ち帰ることがなぜダメなのか」。「祐天寺遺骨シンポジウム」に参加予定だった北の遺族、金勇虎さんの怒り、嘆きである。本当に日本政府はひどい仕打ちをする。シンポジウム参加のための入国を許可しながら、同行者たちの入国を拒否し、実質的に訪日できないようにした。詐欺行為といわずして、どういう表現の仕方があるだろうか

▼さらに、追い討ちをかけるように犠牲者と遺族を鞭打つ非人間的な行為。祐天寺に安置されているはずの遺骨は同寺にはなく、日帝の侵略の象徴、その侵略戦争を推し進め非道の限りを尽くした戦犯たちを集めた「靖国神社」に合祀しているというのだから

▼金さんたち家族がアボジの死を知らされたのは日本敗戦直後の1945年10月。それでも、オモニは夫の生存を信じ帰りを待ちわびた。そのオモニも95年3月に死去した

▼朝鮮の調査によると、日本が強制連行、徴用、軍人、軍属、「従軍慰安婦」など白昼堂々、家族たちの目の前で拉致し、あるいは騙して連れ出したわが民族は800万人を超える。敗戦から来年で60年になるが、この間、日本政府は連行者、その家族、遺族たちに何をしたのだろうか

▼国際社会も認めるれっきとした日本の国家犯罪にも関わらず、謝罪、補償はおろか調査もせず資料も隠して出さない。さらには「合法」だったと開き直る始末である。そのうえ、今回のような「靖国神社」への合祀。現実に目を移せば、在日に義務を課しながら、一方で果たすべき義務は果たさない。今も差別だらけである。(彦)

[朝鮮新報 2004.12.18]