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春・夏・秋・冬

 福岡国際女子柔道に朝鮮選手団が参加した。アテネ五輪で銀メダル、最高峰をいくその実力からケ・スニ選手の活躍に期待し、また在日同胞社会に勇気と力を与えてくれるのでは、と思っていたら残念ながら負傷欠場になってしまった

▼一方、2006年ドイツでのサッカーワールドカップアジア最終予選の組み合わせが決まった。朝鮮は日本、イラン、バーレーンという強豪とともにB組になった。出場切符は組1、2位の2枚。それにしても昨今の、朝・日関係を取り巻く環境から、なんという皮肉なめぐり合わせだろうかと思った

▼日本のマスコミは大騒ぎである。一部の新聞、テレビは「迎撃」だとか「未知の恐怖」だとか、まるで「戦争」でもするかのような取り扱いである。1次予選に朝鮮代表として出場した新潟アルビレックスの安英学選手は、その異様な雰囲気を察してか、記者会見で「これは戦争ではなくサッカーだ」と諭した

▼小泉首相も「あんまり政治的な問題で試合を台無しにしてほしくない」と釘を刺すほどだから、その「対決」の煽り方がどれほどのものかわかる

▼朝鮮と日本との対戦は2月と6月。2月は日本で、そして6月は朝鮮で行なわれる(付け加えると2月は日本の通常国会開会中の時期にあたる。尋常でない雰囲気の中、まさか朝鮮選手団の入国を拒むようなことはしないだろうと思うが)。スポーツマンに国境はない、とはよく耳にする言葉だ。親善交流を積み重ね深めていく良い機会だけに、政治状況に左右されず正々堂々、戦ってほしいと願う。(彦)

[朝鮮新報 2004.12.11]