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今年下半期、具体的には7月8日以降、6.15共同宣言を具体化していくための北南間対話は途絶えた。交流も金剛山を舞台にしたもの以外は中断した。唯一、継続したのが開城工業地区開発と北南間道路、鉄道連結事業である ▼その要因が6.15共同宣言の履行に向けた現南朝鮮当局の優柔不断、煮え切らない対応にあったことはいうまでもない。対北敵視を露わにする米ブッシュ政権の存在が南朝鮮当局を萎縮させたのだろう。さらには「北を敵」と定めた「国家保安法」の存在がある ▼北南首脳が対面し統一への里程標である6.15共同宣言を生み出したのに、いまだに「北を敵」と定めた悪法が存在すること自体、矛盾であることは南朝鮮当局も自覚していることだ。だから今春の総選挙で第1党に躍り出、保安法によって弾圧された体験を持つ議員たちが多く所属する与党のウリ党、そしてこれまた初めて国会議員を輩出した民主労働党などは同法の廃止を党論として集約し年内の実現を求めて作業を進めてきた ▼ところが最近になって、その雲行きが怪しくなった。強硬に反対する野党ハンナラ党の顔色を窺ったのか、ウリ党指導部が突然、年内の処理を留保、来年への先送りを決めたからである ▼これには党内はむろん民主労働党、市民団体は大反発、「ハンナラとの野合めざした政治ショー」だと白紙撤回を求め抗議行動を展開している。7月の民間追悼団訪北問題が保安法との関連で不許可にされただけに、廃止が遅れれば遅れるほど、それだけ北南関係が影響を受けるのは明らかだ。(彦) [朝鮮新報 2004.12.9] |