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春・夏・秋・冬

 先日、留学同が主管するコリアン学生学術フォーラムを取材した際のこと。初日夜、3つのホットな話題をテーマに朝・日学生同士の討論会が行われた。このうち「朝鮮民主主義人民共和国について語ろう」のコーナーをのぞいてみた。参加者たちは日ごろ思っている疑問などをぶつけ合い、率直に意見を交わしていた

▼中でもピースボートに所属するある男性の話が印象的だった。その男性は今年の春、ピースボートの航海中にイラクでの日本人人質事件を知ったという。日本に無事戻ってきた彼らを待っていたのはすさまじいバッシング。しかし、ピースボートに搭乗していた人々の9割はバッシングの理由がわからなかったという。船の上では日本のメディアに触れる機会がなかったからだ

▼この話で彼が強調したかったのは、メディアの持つ威力≠ノついてだろう。彼らに対するバッシングの雰囲気は、メディアの影響を受けた人々によって生まれたと言ってもいいのではないか

▼それは「北朝鮮バッシングにもつながるものだ」と彼は語る。日本国内の世論が国交正常化の動きに妨げとなっているのは否めないだろう。そんな中でも、彼は訪朝した際、お酒を酌み交わしながら、「こんなことができるんだから、日朝国交正常化も必ずできる」と北の人が話していたことに希望を持ったという

▼こうした思いを大切にしなければなるまい。あまり難しく考えることはない。日朝国交正常化の根本精神は、隣人同士が仲良くしようということ。それが東北アジアの平和につながっていくのだから。(聖)

[朝鮮新報 2004.12.7]