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「日本の政治家が妄言を続けている」(東亜日報)と南の各紙が報じている。「きわめて自虐的で、やっと最近、いわゆる従軍慰安婦とか強制連行とかいった言葉が減ってきたのは本当に良かった」と、過去の歴史教科書について批判したのがその内容。妄言の主は中山文部科学相である ▼中山文科相は、教科書から強制連行などの記述を削除するよう求めている、自民党有志の「日本の前途と歴史教育を考える会」座長を務めていた。大分県別府市で開かれたタウンミーティングでの発言にあたっては、自らその経歴を紹介。その後の記者会見では、「大臣になる前に座長だった立場から感じたことを述べた」と語っている ▼文科省の諮問機関が06年度から使用する中学校の歴史教科書の検定作業を進めている時期に行われた発言。そのことから各紙は、「発言は検定結果に影響を及ぼすとみられる」(東亜日報)、「検定作業が文科省の見解の影響を受けかねないとの憂慮が出ている」(ハンギョレ新聞)などと報道している ▼来年開校する都立の中高一貫校では、「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書を採用することが決まっている。「日本を糾弾するためにねつ造された、『南京大虐殺』『朝鮮人強制連行』『従軍慰安婦強制連行』などの嘘も一切書かれていません」と豪語する代物だ。まさに、中山文科相の好みにぴったりといえる ▼そう考えるとこの妄言、注意深く見る必要がある。折りしも、南の元軍属、「慰安婦」らが13年前に起こした補償請求訴訟で最高裁は彼らの訴えを棄却した。(聖) [朝鮮新報 2004.11.30] |