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春・夏・秋・冬

 数年前に本紙がリニューアルされた際、「ウリトンネ」という連載を掲載していたことがある。その事はこのコラムでも何度か触れたことがあるが、例えば大阪の猪飼野や東京の荒川など「朝鮮人部落」と言われる場所に、なぜ同胞たちが住みつくようになったのかをルポしたものだ。何しろ50余年前の話なので、まず当時を知る1世を探すことが至難の業だった

▼本紙4面(朝鮮語)で10月から、「半世紀の道のりをたどり」と題するシリーズを連載している。来年の総聯結成50周年に向け、これまでの歩みを振り返ったものだが、筆者である在日朝鮮人歴史研究所の呉圭祥研究部長には、さまざまな反響が寄せられているという

▼例えば、1回目で解放前の在日朝鮮人数の表を掲載した際には、「1885年の1人とは誰か」という質問があったという。2回目に「祖国に向かう道」の歌詞を掲載したところ、「当時を思い出して涙が出た」という1世からの声もあったそうだ

▼解放前後から朝聯、民戦の時代を経て総聯が結成され、これまでどんな活動を繰り広げてきたのかが丹念につづられているこの連載で、もう一つの見所は写真。ある意味では、「古き良き時代」とも言える、総聯の活動が今より格段に高揚していた時期の写真は、当時を知らない若い世代にも刺激となるのではないか

▼編集部としてはこの連載を、より多くの若い世代の人たちに読んでほしい。過去をきちんと知ることが、より良い未来を築くことにつながると思うからだ。先輩たちの体験から得るものは、多々あるはずだ。(聖)

[朝鮮新報 2004.11.18]