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8カ月運動が始まり、さあこれからという時に起きた新潟県中越地震。本紙でも報じてきたように、同胞たちの被害は甚大だった。一方、その前に襲来した台風23号による兵庫・豊岡などの被害も大きかった。中越地震のインパクトが強かっただけに、その詳細が伝えられる機会は少なかったが、今も復興に追われている ▼中越地震、台風23号の被害に遭った同胞たちを支援しようと、募金運動が組織上げて行われた。前者については朝鮮からも慰問金が寄せられた。不意の災害に対処する術はあるようでないのが現実だが、こうした折りに一心団結した力で支援に立ち上がる同胞社会の存在は力強い ▼こうした暗いニュースを吹き飛ばすかのように、大阪朝高ラグビー部が昨年に続いての全国大会出場を決めた。試合終了間際、ロスタイムでの逆転劇。あたかもドラマの世界での出来事のようだ ▼試合は、逆転につぐ逆転のシーソーゲームだった。その、余りの緊張感からか、会場で取材をしていた本紙記者は「心臓が飛び出しそう」だったという。金信男監督も「ハラハラ、ドキドキだった」。手に汗を握る熱戦の模様が伝わってくる ▼対戦した関西創価高校の大澤監督は「朝高の執念がすごかった」と評した。一方、河勇吉主将は勝利の要因について「選手同士の信頼」を上げた。ラグビーだけに関わらず、団体球技において何を差し置いても重要なのはチームワーク。いくら秀でた選手がいても、信頼と連携がなければ勝負に勝つことは難しい。これはまた、古今東西どの組織にも通じることだ。(彦) [朝鮮新報 2004.11.16] |