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春・夏・秋・冬

 食欲の秋、読書の秋、芸術の秋、スポーツの秋。何をするにも秋はちょうど良い季節であり、また実りの季節でもある。同胞社会を見ても、この時期に旅行や登山、運動会など各種行事を組んでいるところが少なくない。統計をとったわけではないが、本紙に送られてくる投稿記事中、この種の記事が最も多いのがこの季節ではないか、と感じている

▼ということで、最近、各地で相次いでいるのが芸術祭。先週末にも大阪学生芸術祭、群馬同胞文化芸術祭が行われた。今後もこうした催しは各地で行われよう。大阪の芸術祭には府内の朝鮮学校生徒300余人が出演した。観賞した日本人らは、その水準の高さに驚きを隠さなかったという

▼こうした芸術祭では、朝鮮の民謡や舞踊、現代音楽などが多数披露される。群馬芸術祭の演目を見ても、民族楽器合奏、伽倻琴演奏、「アリラン連曲」の混声重唱など、民族性あふれる演目が目立った

▼異国にいながら、民族性を守っていくことはなかなか難しい。ましてや祖国光復からはや60年近く。世代交代も進み民族性がどんどん風化されているのは、防ぎようもないのも事実。そういった中で、同胞社会における「芸術祭」は、単に日ごろの練習成果を披露するにとどまらず、民族性を脈々と受け継ぐのにおおいに役立っている

▼それと同時に、こうした「芸術祭」は誰もが楽しめるのがよい。出演者も、その家族も、観客も…。肩を怒らせて「民族性を守らなければならない」と叫ぶより、数段効果的だ。楽しいこと≠みんながやりたがるのは、なるほど道理だ。(聖)

[朝鮮新報 2004.11.9]