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春・夏・秋・冬

 最近会った米国通の友人は、「9.11」以降、米国が内向き傾向にあることを嘆いていた。子どもの頃に住んだ米国は、外の人にも寛容で開放的だったのに、どんどん閉鎖的になっており、それはとりわけアジアやアラブ系といった有色人種に矛先が向いていると…

▼米大統領選挙で現職のブッシュ大統領(共和党)が再選した。ブッシュ勝利の要因は今後詳しい分析が待たれるが、米保守層の票取り込みに成功したというのが大方の見方だ。そういった意味では、先の「内向き」傾向が与えた影響も小さくないだろう。ある評論家は、米国民の14%しかパスポートを取得していない例を挙げ、多くの米国民が、自国の単独行動主義に国際社会で非難が出ていることをよく知らないのではないか、と話す

▼とは言え、今回の大統領選、最後まで予断を許さぬ接戦だった。米国民の半分はケリー候補を支持したわけで、米国内の国論は二分していると言えよう。すなわち、このまま単独主義で突っ走るのか、さもなければ国際協調でやっていくのか

▼そういう意味では、2期目となるブッシュ政権は、イラク問題など外交を含めた政策の転換を迫られるだろう。すでに1000人以上の米兵が死んでおり、イラク情勢は混沌としている。大量破壊兵器も発見されず、戦争の大義も失われた

▼では、朝鮮半島の核問題の行方は。米国の大統領に誰がなろうとわれわれには関係ない、問題はどのような朝鮮政策を取るのかだ、とは朝鮮側の選挙前の主張だった。まさに、核問題解決の鍵はここにあると言えよう。(聖)

[朝鮮新報 2004.11.4]