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「敵視宣言」だと朝鮮が強く反発、南社会でも「戦争シナリオ」などと政界はもとより在野など各界が批判、白紙化を求めていた「北朝鮮人権法案」にブッシュ大統領が18日に署名、正式に成立した。あらためて思うが、他人が他人の家のことについてとやかくいうばかりか、家族関係についても口出ししていくということを宣言した類のこの法案は、傲慢も傲慢、天に唾する行為である ▼すべての核施設を廃棄すれば対話ができるとか、しかし補償はしないなど、自ら懇願して6者会談にこぎつけたにもかかわらず、対話の相手をはなから敵視、話も聞かない態度に加えての「人権法案」、戦争停戦という根本的な問題を解決しない限り信頼しあえる対話は実現しないということを実感する ▼一方、南朝鮮では与党のウリ党が稀代の悪法である「国家保安法」の廃止を決定、今月末の成立めざし代替法案をハンナラを除く他党と共に国会に提出することを決めた ▼代替法案に保安法の骨格部分である「北敵視」、北南対決を煽動してきた「反国家団体」条項をどのような形で折りこもうとしているのか、その論議の行方は気になるが、米国の了解の下、反共独裁体制を支え民衆弾圧、殺りくの根拠となってきただけに、その廃止は時代が大きく変化したことを物語る ▼それにしても、対照的な米国と南朝鮮での出来事である。「敵視」と「共存」という二律背反−、同盟国なのか同族なのか、北側が一貫して問いただしてきたテーマだが、その方向性は揺らいでないように思えるが、果たしてどうだろうか。(彦) [朝鮮新報 2004.10.21] |