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春・夏・秋・冬

 参院選挙で議席を減らし求心力が低下、「日朝国交樹立」など平壌宣言に言及することが少なくなったといわれる小泉首相。マスコミの社説批判も影響しているという

▼13日から開会した臨時国会の所信表明演説で、拉致問題の再調査内容に触れ「北朝鮮が誠意ある対応を取るよう粘り強く働き掛ける」と述べながらも、これまで慎重な姿勢を崩さなかった「経済制裁」について「可能な手段の1つだ」と言及した

▼この発言をとらえて、一部では「ブッシュ再選は揺るぎない」と判断したことが背景にあると論評する向きがある。小泉発言ばかりか、「経済制裁」云々が最近、急にかまびすしく語られ始めた全体の背景としてもそのことを指摘する。ブッシュが再選すれば対北朝鮮敵視政策に拍車がかかるということを見越して、それに歩調を合わせて「経済制裁」に踏み切ろうという計算が働いているのだろうか

▼最近、小泉首相、そして武部自民党幹事長が相次いで「ブッシュ再選」にエールを送った。武部幹事長に至っては「米朝2国間対話を主張するケリー候補が当選したら大変だ」と、感情むきだしである

▼さすがに、自民党内からも言い過ぎだ、内政干渉と取られかねないと批判を浴びた。核問題の行方を心配しながらの発言だというが、心底、解決を願っているのなら、6者の枠組みを維持しながら朝米2国間対話を促すという選択肢も論議すべきだろう。それにしても、もしもケリー候補が大統領になればどう釈明するのだろう。まことに浅はかな発言だといわざるをえない。(彦)

[朝鮮新報 2004.10.16]