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春・夏・秋・冬

 「日本を糾弾するために捏造された、『南京大虐殺』、『朝鮮人強制連行』、『従軍慰安婦強制連行』などの嘘も一切書かれていません」。「新しい歴史教科書をつくる会」は会報の7月号で、来年向けに改訂版教科書の内容を解説。こう書いた。「つくる会」の歴史教科書については改めて言うまでもあるまい。どのようなスタンスで記述されたものかは、冒頭の文からも明らかだ

▼問題はこの教科書が、来春開校する都立の中高一貫校で採用されることが決まったことだ。南朝鮮、中国などは当然不快感を露わにしている。「韓国政府は、自国中心主義的な史観に立ち、過去の過ちを合理化している扶桑社の教科書を採択したことを遺憾に思う」(外交通商省当局者)、「日本側は今まで歴史問題で示した態度と約束に基づき、正確な歴史観をもって日本の若者を教育するべきだ」(中国外務省報道局長談話)と、それぞれ批判した

▼「日本側は過去、植民地支配によって朝鮮人民に多大な損害と苦痛を与えた歴史的事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からの謝罪の意を表した」。02年の朝・日首脳会談で採択された平壌宣言の文言だ。小泉総理自身がサインした文書にこう書かれているのに、なぜいまだに日本の侵略行為を正当化する教科書が採択されるのか

▼採択を決めた都教委の6人中4人は石原都知事が起用したという。教科書を選んだ過程は不透明なままだ

▼来年は朝鮮解放から60年目。戦後60年が経とうとしているのに、真の意味での過去の清算が出来ていないことに、憤りを禁じえない。(聖)

[朝鮮新報 2004.8.28]