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春・夏・秋・冬

 朝米核問題の雲行きがまた怪しくなってきた。先の第3回6者会談での米国案が「リビア方式」を朝鮮に強要するものであったことが、その後のライス大統領補佐官らの発言によって明白になったからだ。白旗を掲げ、米国の求めるものすべてを提示し検証させれば、望むものは何でもさしあげよう、という「毒入りリンゴ」の類だ

▼本音を見破られた米国は頭を抱えている。対話での核問題解決を主張しているといわれるパウエル国務長官は、18日の記者会見で朝鮮を「割りにくいクルミ」だと喩えた。いわく「北朝鮮はイランよりさらに扱いにくい国で、交渉ゲームでは最も頑丈なクルミのうちの1つだ」

▼それも当然だろう。理由もなく「ならず者国家」のレッテルを張り、「悪の枢軸」を形成していると、この10年近くも体制崩壊を最優先の国家戦略に掲げ、同盟国とさまざまな圧力をかけてきた核超大国・米国を相手にしては、頑丈な防御バリアーを巡らせ、その一方で国家主権護持、主張の正当性をアピールするために智恵を絞る−朝鮮の外交戦略である

▼こうした中、米国は9月の6者会談開催について「中国の努力を期待している」と丸投げしてしまった。これを受けて、赴任までロシア代表を勤めたロシュコフ駐日大使は、「米国は次期大統領選挙に気を奪われており、次の6者会談は年末か来年初まで延期される可能性がある」との見通しを明らかにした

▼日本の専門家たちの多くは、朝鮮が米大統領選挙を利用し、遅延戦術を使っていると指摘してきたが、現実はその逆なのだ。(彦)

[朝鮮新報 2004.8.24]