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米民主党は先日の党大会で、今秋の大統領選挙候補にケリー、副大統領候補にエドワーズの両氏を選出、正式決定した。これで、確定的といわれる共和党のブッシュ・チェイニーの現職コンビを相手にした熱い戦いが展開されることになる ▼今回、民主党の支持者たちは、ホワイトハウス奪還のために、大統領として適格なのかどうかという資質はニの次にして、ブッシュに勝てる候補の擁立に走ったという。だから、自分の気に入らない「ならず者」を倒すための、先制攻撃ドクトリンに沿ったイラク政策の是非を根本的に問うようなことはなかったと、担当記者たちは指摘する ▼党大会で採択された政策綱領は、かつてのイスラム社会に対する「十字軍」遠征に似せたイラク攻撃によって、独仏などとの間に生じた亀裂の修復、言い換えれば同盟国・国連との協調、重視を色濃く出すことによってブッシュ政権との違いを強調しようとしている狙いが読み取れる。対朝鮮政策において、ブッシュ政権が頑なに拒んでいる「2国間交渉」を鮮明にしていることはその表れだ ▼こうしたことを見越してか、6月の第3回6者会談終了直後からブッシュ政権サイドは「朝米9月危機説」を流布してきた。朝鮮が米国案を呑まなければ、限定攻撃も止むをえないというもの ▼その実現性は薄いと見るが、接戦が予想される大統領選挙を前に保守票、とくに原理宗教票のさらなる掘り起こしのための一策らしい。とはいえ、朝米はいまだに停戦状況下。最近の平壌の対米論評がトーンを上げているのもわかる。(彦) [朝鮮新報 2004.7.31] |