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春・夏・秋・冬

 今月14日、南朝鮮海軍が「西海の北方境界線(NLL)を北の警備艇が侵犯した」と虚偽発表し、遺憾にも警告射撃を行った事件は、6.15共同宣言が具体化されつつある現状下、南内部がいまだに意思統一されていないことを露呈したものだった

▼南朝鮮海軍当局は事件の発表に当たって、「南北将官級軍事会談実務接触で合意を見た交信規範に基づいて北警備艇に連絡を取り、返答を求めたがなかったので警告射撃に踏み切った」と、詳細にまで言及したが、これらすべてが嘘だった

▼朝鮮人民軍海軍司令部は16日の報道で「南朝鮮軍が騒いでいる侵犯事件なるものは存在しなかった」と指摘。「当時、事件の起きた水域はむろんその周辺にもわが軍の警備艇はいなかった」と明らかにしながら、軽挙妄動しないよう南朝鮮軍当局に警告した

▼こうした事実を受けて盧武鉉大統領は19日、徹底調査を軍に命じたが、「大統領と国民に対する軍の発表は正確でなければならない」という程度で、軍のトップである大統領という地位からすれば、ことの重大さに対する認識不足は否めない。むろん南朝鮮軍の統帥権が駐留米軍司令官にあり、「大統領がトップ」というのはお飾りに過ぎないという現実はある

▼こうした事実関係を並べて図式化していくと、今回の事件は結局、脚本を書いたのは駐留米軍で、南朝鮮軍はそれに従って演じただけ、という本質が見えてくる。大統領側近が訪米しても、ホワイトハウスは鼻から相手にしないほどに悪化した南当局と米国の現状を縮図にしたような事件だ。(彦)

[朝鮮新報 2004.7.22]