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春・夏・秋・冬

 参院選挙の投票が11日に行われた。小泉政権が現有勢力を維持し、さらに基盤を磐石なものにできるのかどうか、いや後退するのか、選挙後に朝・日国交正常化交渉再開の動きが具体化していくと見られるだけに他人事ではない

▼選挙中(8日)、自民党の安倍幹事長は大阪市内の街頭演説で、特定船舶入港禁止法の成立と関連し「北朝鮮は法律を作らせないよう大変なお金を使った。工作も行った。新聞社、テレビ局にも、学者、評論家、コメンテーターにも(工作を)行った」と、根拠を何一つ明示することなく述べた

▼幹事長といえば、自民党の実質トップだけに、その発言には誰よりも重みがある。どういう根拠があって、そのような発言になったのか。使われた金の金額、工作の対象になった新聞社、テレビ局、さらには学者、コメンテーターたちの名前を具体的にあげてもらいたい。いや列挙する責任がある

▼日本の国政選挙に朝鮮問題がどれほどのウェイトを占めているのか、よくわからない。が、選挙のたびにこの類の発言が繰り返される。昨年の衆院選挙の時も、民主党代表が同じ大阪市内で言及した。政権攻撃の材料として使ったのだが、それにしても政治家たるものが目先のことだけに捕らわれて中傷、誹謗に及ぶとは人格、資質が疑われる

▼安倍発言について細田官房長官は「(工作があったとの)認識をわれわれは持っていない」との政府見解を明らかにした。それだけに、安倍幹事長は事の真偽をはっきりとさせる必要がある。ウソなら当然、謝罪、その責任を取るべきだ。(彦)

[朝鮮新報 2004.7.10]