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1日、自衛隊という名の「日本軍」が米国によって再建されてから50年になる。50年前といえば1954年のこと、朝鮮戦争の停戦協定(7月27日)が結ばれてほぼ1年になる時の出来事だった ▼正式な発足はこの年だったが、朝鮮戦争勃発2カ月後の8月、すでに朝鮮戦線に出兵した在日米軍に代わる治安維持などを口実に、戦車などを保有した前身の警察予備隊が創設されていた。同時期、海上保安庁も設置。元山などを対象にした米軍の上陸作戦準備のために掃海部隊を密かに再編成し朝鮮海域に出動、作戦に従事し、機雷に接触して死傷者も出している。そうした事実は長らく世論には伏せられてきた ▼米国が自衛隊を創建した狙いは明白だった。冷戦が本格化するなか、対ソ対決、封じ込め戦略の不可欠な要素だった朝鮮半島での橋頭堡構築に、長年の植民地支配によって地理などに熟知し、同時に戦闘経験豊富な「日本軍」を使おうとしたのである ▼その意図は日本も十分に理解していて、再建直後から盛んに朝鮮半島での戦闘にどう「日本軍」が対応していくのか、在日米軍との共同作戦のありよう、そして独自の作戦研究が秘密裏に行われた。63年の「三矢作戦研究」はその代表的なものだ ▼ところが今日、自衛隊に関わるタブーはなくなってしまった。その垣根を取り払ったのはイラク駐留だった。5月の再訪朝時、小泉首相は「(日朝の)敵対関係を協力関係に変える」と明言した。とすれば、自衛隊が朝鮮にとって脅威ではないこと、脅威を与えないことを明らかにする必要がある。(彦) [朝鮮新報 2004.7.1] |