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「男女差別はアスファルトから生えてくる草のようなもの。なかなか根が絶えることはない」。数年前、男女平等問題に関して平壌で取材した際、一人の男性が発した言葉だ。取材対象はこの男性の妻。彼女は平壌市のある区域の人民委員会委員長、日本で言えば区長さんだ。キャリアウーマンの夫である男性は、さぞや男女平等権者だと思いきや、「私だって、新婚当初は妻が三つ指ついて迎えてくれることをどれほど望んだことか」と笑いながら、冒頭の言葉となったのである ▼行ったことのある人ならわかるだろうが、朝鮮の社会は男女平等が確立されているとは決して言えない。制度的には保障されているのだが、意識の面ではまだまだだと思う点が少なくない。儒教思想がなかなか抜けることはないのだと感じる。それは北に限らず南にも言えることなのだが ▼それでも、国会議員の女性の占める割合は世界でもトップクラスで、過去には女性副総理もいた。協同農場の管理委員長や幼稚園の園長、小中学校の校長、果ては大学の学長にも女性が数多く進出している ▼そういった点では総聯の方が数段遅れているようだ。人権協会が発行する「人権と生活」に、「総聯でも中央から支部、学校、各機関に『女性』の名の付く役職以外に席を増やすべきだとつくづく感じる」との提言があったが、まったく同感だ ▼そのためには、男性だけでなく、女性の側の意識改革も同時に必要なのではないだろうか。既成の概念をいかに打ち破るか、男女問題に限らず、それが組織を活性化させるのだと思う。(聖) [朝鮮新報 2004.6.29] |