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朝鮮問題研究者、担当記者たちの私的な会合の場で、先日話題になったことが2つあった。1つは6.15共同宣言4周年を記念したソウルでの「金大中セミナー」、もう1つは「拉致被害者を救う会全国協議会」の佐藤勝己(会長)らの寄付金着服騒動である ▼前者については、本紙でも詳報したように、民間とはいえ前大統領が主催し盧大統領、金正日総書記が送った北側代表団、さらには宣言に批判的だったハンナラをはじめ与野党の党首たちが参加した。席上、盧大統領は「政府は消極的」だと指摘されてきた宣言の具体化について「当局立案の計画がある」と明らかにした ▼同日、仁川での北南、海外同胞参加の大会と合わせて、まさに「民族同士」が大きくクローズアップされたものだったが、日本の各マスコミの扱いはその内容に比べて地味、無視に近いものだった ▼ある研究者は「これでは日本の世論は隣国の動きを正しく把握、理解できなくなる」。居合わせた記者は「現場の判断能力も問題だが、日韓は取り上げても南北については軽視する雰囲気がある。朝鮮半島=韓国の認識」だと自戒を込めて弁解していた ▼後者については、「風評はあったが、誰も調査しようとはしなかった。腫れ物に触るように聖域扱いしていた」と。今は休刊している月刊誌が「(佐藤の主宰する)現代コリアの事務所移転」と関連し、「寄付金が流用されているのでは」と報じたことがあったが、他紙、誌は後追いしなかった。拉致報道によって麻痺した感覚、正常化するまでには時間がかかりそうだ。(彦) [朝鮮新報 2004.6.24] |