|
米国の核政策の基本は、どういう種類の核兵器を、どの基地(艦船)に、何発配備しているのかをいっさい明らかにしないということだ。いざ、戦争になった場合、核拠点への先制、報復攻撃を避けるためと、あわせて実態を不透明にしておくことによって、日常的に仮想敵国に心理的な圧迫を加えるためだと専門家たちは解説してきた ▼だから、南朝鮮に地上核(ミサイル)が配備されていた事実や、沖縄に核弾頭が貯蔵され、横須賀や佐世保に出入りする米艦船が核武装していた事実などは、当局者同士秘密協定を結び暗黙の了解の下、外部にはながく伏せられてきた ▼現在、騒ぎ立てている朝鮮の核問題、米国は論理的に自国の核政策のそれと同じ手法を使っている。つまり、「濃縮ウランによる核開発を行なっている」が、その証拠は明らかにしないと。明らかにすれば、朝鮮側が主張するようにでっち上げの虚偽なのかどうか、白日の下にさらけ出されてしまう。目的は朝鮮を崩壊させることだから、事実を不透明にしておくことがベターの政策なのだろう ▼こうした米国の対応に、朝米核問題の仲介者である中国外交部の米国担当副部長は「ブッシュ政権は決定的な証拠を提示するまでは、(北朝鮮の)核開発計画についての主張を自制すべきだ」(ニューヨークタイムズ9日付)と、強く牽制した ▼今月中には第3回6者会談が開催される。23日説などが南当局から伝わっているが、踊る会議をいくら続けても問題の解決にはつながらない。疑惑に火をつけたブッシュ政権、証拠を提示すべきだ。(彦) [朝鮮新報 2004.6.10] |