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春・夏・秋・冬

 「万景峰92」号など朝鮮の船舶を狙い撃ちした「特定船舶入港禁止特措法案」が3日、衆議院で自民、民主、公明党などの賛成多数で可決された。今週にも参議院でも可決され成立する見通しだ。予想されていたとはいえ、非常に残念なことだ

▼自民党の安倍晋三幹事長は、「特定船舶入港禁止特措法案」に対し、「必要な外交カードを備え、国家意思を明確に掲げる毅然とした北朝鮮外交を推進するよう、引き続き政府を強力に支援していく」とする談話を発表した。ここで言う「国家意思」とは何か。「毅然とした北朝鮮外交」とは何なのか

▼小泉総理は、先の朝・日首脳会談において、敵対関係を協力関係に作り上げ、両国間の関係を正常化していく意志を明らかにした。また、自民党総裁として総聯第20回全体大会に祝賀メッセージを送り、「日朝国交正常化の実現に向け、最大限努力を払っていきたい」と表明している。どう見ても、安倍幹事長の考えと、総理、自民党総裁との考えは相反するものである

▼第20回全体大会の報告は、「われわれの前に祖国光復と総聯結成以来の在日朝鮮人運動の歴史的課題が実現されつつある、新しい時代と段階が近づいてきている」と指摘している。歴史的課題とは、日本が過去を清算し、朝鮮との関係を正常化することにより、在日同胞が海外公民として当然の権利を持って堂々と生活することに他ならない

▼日本の歴史的課題も視点が変わるだけで、まったく同じはずだ。歴史に逆行することが「国家の意思」「外交」だと思っているのなら、大きなまちがいだ。(徹)

[朝鮮新報 2004.6.5]