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ベストセラー「話し方のマナー」の著者、塩月弥栄子さんの新著「上品な話し方」(光文社刊)は人をひきつけ、自分を生かすための話し方を伝授してくれる。この本で強調していることは、テクニックではなく心で話すということ ▼思いやりのこもった言葉に対しては、どんなに朴とつでも受け手はとてもよい気持ちになるものだ。逆に、いくら美辞麗句を並べても、心がこもっていなければ、相手は察しがつくというもの。あたりまえのことだが、「目から鱗」の感がした ▼この本では、1カ月に69台もの自動車を売ったセールスマンの話が紹介されている。彼の説得のコツは聞き上手になること。「客に7語らせ、自分は3しかしゃべらない」そうだ。自分の話を親身に聞いてくれる人に、相手が好印象を持つのは言うまでもあるまい ▼総聯20回全体大会も滞りなく終わり、総聯活動も新しい期が出発した。これからも、同胞たちの間ではさまざまな意見が提起されよう。われわれ記者も聞き上手にならねばならない。同胞の間で提起される意見を真摯に受け止め、紙面に反映させていかねばならない。現場に行くと本紙に対する批判も少なくない。それは、ある意味では「もっとしっかりがんばれ」というエールでもある ▼話をする時も聞く時も、心がこもらなければ相手は心を開いてくれない。在日朝鮮人運動を推し進めていくうえで、いろいろ方法論もあろうが、結局、行き着くところはいかに心のこもった活動をするか、ということではないか。それが「同胞に奉仕」を実践していく道だ。(聖) [朝鮮新報 2004.6.1] |