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春・夏・秋・冬

 小泉再訪朝。金正日総書記との会談の中で、2002年9月の訪朝、平壌宣言の発表からこの1年8カ月間、まさに狂乱的に行われた反朝鮮、反総聯、反朝鮮人のネガティブキャンペーンに「遺憾を表明」。今後、平壌宣言を履行して「敵対関係を協力関係に作り変えていく」と言明した

▼さらに朝鮮への制裁のための「改悪外為法」などの発動はせず、「在日朝鮮人たちを差別せず友好的に対していく」とも表明した。関係正常化に向けた小泉総理の「決意」が読み取れた

▼しかしこの1年8カ月間、生命の危機にまでさらされるという、「法治国家」での「異常な体験」を余儀なくされた在日同胞にとって、やっとこれで前に進むのかという安堵感の一方で、経緯が経緯だっただけに俄には信じられない気持ちもある。実際、60%もの世論が再訪朝を支持している反面、一部の政治家、評論家、さらにマスコミは批判のオンパレードである。前回の状況に似ている

▼また、小泉総理の「決意」にも関わらず、国交正常化交渉の再開についても、あれやこれやの前提条件をつける向きが目立つのも気になる。外務省のある幹部は、この問題について「全体の状況を見て再開を協議する」と留保条件をつけた。この一言がマスコミを増幅させている

▼あらためて強調するまでもなく、平壌宣言の本質はかつて、朝鮮を不法に植民地支配した日本の罪を清算する点にある。このハードルを日本が自ら越えていかない限り、言葉だけでいくら前向きな発言をしたところで1歩も朝・日関係が進展することはない。(彦)

[朝鮮新報 2004.5.24]