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春・夏・秋・冬

 小泉首相の訪朝が明日に迫った。バブル以後の日本社会のありようを「失われた10年」と表現するが、2002年9月17日から今日までの朝・日間の状況は、まさに「失われた2年」と表現せざるをえない

▼この間の日本を覆いつくした反朝鮮の社会状況は周知のとおりだが、つくづく残念に思うことは、このような社会状況によって朝・日間に横たわる基本問題を冷静に見つめ議論することがまったくできなかったということである。両国の首脳がサインした平壌宣言には基本問題が明記されているにもかかわらずである

▼そして、反朝鮮の社会世論はきわめて意図的に作られたものであった。とくに、朝鮮バッシングの報道をくり返してきた日本のマスコミの責任の大きさをあらためて指摘しておきたい。多くの日本人の心の中に朝鮮に対する悪いイメージを凝り固まらせたことの罪は何よりも重い

▼今回の訪朝がどのような結果を生み出すのか、まだ予断を許さないが、関係正常化の前には、2年前よりもさらに高いハードルが作られていると言える。そのハードルは、日本人の心の中にできあがった反朝鮮のイメージに他ならない

▼昨年、ある日本人が本紙に、「千年後も隣人であり続ける」という文章を寄稿してくれた。そのなかで、「日本と朝鮮は千年以上前から隣人であった。千年後も日朝は隣人であり続ける。この単純で、確実な事実を忘れてはならないと思う」と書いている。今回の訪朝が、隣人としてどのように付き合うべきかをもう一度冷静に考える機会になることを願う。(徹)

[朝鮮新報 2004.5.20]