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春・夏・秋・冬

 平安北道龍川駅で起きた列車爆発事故は、日を追うごとに被害状況が明らかになりつつある。現在わかっただけでも死者は150余人。この中には近くの小学校に通う子どもたちも多く含まれていると聞く。負傷者の300人以上が重態だという。そんな中、平壌に滞在する国連機関はいち早く現地に赴いた。南朝鮮や中国、日本など、支援の輪も広がっている

▼同胞たちからも心配する声が伝わってくる。事故現場は新義州に近い。新義州といえば帰国者が多く住むところで、その近くとあれば、親戚の安否を気遣う向きもあろう。それにも増して、同族である祖国の人々を何とか救わねばとの思いが働くようだ。「募金活動はやらないの」「平壌常駐記者が現場に早く入って」との電話が寄せられている

▼90年代中盤、朝鮮は相次ぐ水害で少なからぬ人的、物的被害を受けた。96年夏にも水害が起きた。朝鮮に滞在していた筆者らは即刻、南との境界線一帯を中心に現場を訪れた。無残に倒された稲、えぐれた田畑、倒壊した家屋、壊れた橋などが被害の大きさをまざまざと見せつけていた

▼一方で、必死に復興作業を行う現地の人々の奮闘ぶりも目撃した。彼らのためにできることは、この現状を迅速かつ正確に伝えることしかなかった

▼本紙に記事が掲載された後、多くの同胞、日本市民の間から支援の声が高まったと、後に日本に戻ってから聞いた。自分の記事が祖国の人に少しでも助けになったと思うと、ちょっとだけ誇りに思った。今回も本紙にはその役目があることを十分に自覚している。(聖)

[朝鮮新報 2004.4.27]