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イラクで人質にされていた日本人が解放されたニュースとかちあって扱いは大きくなかったが、15日の南朝鮮総選挙で与党の「開かれたウリ党」が躍進。過半数を超える152議席(定数299)を獲得し、第1党になった。与党が過半数を占めるのは実に16年ぶりのことである。反面、親米保守勢力の砦であり、今選挙の争点となった盧大統領弾劾(職務停止)を主導したハンナラ党は121議席で20以上も減らした
▼しかし今選挙、与党が過半数を占め第1党に躍り出たという事実以上に注目すべき点がいくつかある。連合ニュースが指摘したものを列挙すると、まず60歳以下の議員が250人と全体の84%を占め平均年齢は51歳になった。次に初当選を果たした議員が200余人と全議員の3分の2以上に上った。また、与党がハンナラの牙城、慶尚道など嶺南地域で議席を獲得。地域主義克服への端緒を開いた ▼そしてもっとも象徴的なのが、「働く者たちの政党」民主労働党が13%の得票を得て初めて10議席を獲得したことである ▼同党の当選者はいずれも70、80年代、朴政権の「維新独裁」、そしてその後全斗煥、盧泰愚と引き継がれた軍事独裁政権下、大学、さらに当時もっとも虐げられていた労働現場で民主と自由、権利、そして統一をめざして闘い抜いてきた闘士たちである。なかには8年5カ月もの間、当局によって逮捕、投獄、指名手配を受けた活動家もいる ▼その民主労働党が第3党に進出。南朝鮮の政治構造、意識が根本的な変化を見せた選挙結果だと思う。(彦) [朝鮮新報 2004.4.17] |