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春・夏・秋・冬

 少し前の新聞に興味深い記事が載っていた。日本の国立天文台が行った調査で小学生の4割が「太陽が地球の周囲を回っている」と思っているという結果が出たというもの。公立小学校の4、5年生計116人に「地球は太陽のまわりを回っている」「太陽は地球のまわりを回っている」という2つから正しいものを選ばせたところ、41%が後者を選んだ

▼16世紀にコペルニクスが地動説を唱え、17世紀末にはその正しさが証明される。しかし、多くの一般の人々にとって、地球が太陽の周りを回っていようが、その逆だろうが、日常生活を営むうえで支障がないと言えばないのかもしれない

▼今の日本の社会を見ると、「天動説」を信じる子どもたちをあまり笑える状況ではない。朝鮮を圧殺することを目的に、「外為法」を改悪し「特定船舶禁止法案」を成立させようとする。マスコミは相変わらず反朝鮮報道を垂れ流す。「自主外交」のかけらもなく米国に追従する姿は、地球がすべての中心だと信じて疑わなかった中世の時代とどこが違うのだろうか

▼地動説を唱える者をキリスト教は徹底して弾圧した。米国や日本など大国が、エゴを押し通し自分たちに従わない者を抑圧する姿はそれにだぶって見える。しかし、それがいつまでも通用するわけがない

▼日本がほんの何十年前に、アジア諸国を侵略し朝鮮を植民地にして、多くの人々の命を奪ったという事実をどれだけの若い日本人が知っているだろうか。今の状況では、小学生ではなく大学生を対象に調査をしても40%に満たないのではないか。(徹)

[朝鮮新報 2004.4.16]