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春・夏・秋・冬

  4月に入り、イラク情勢が急激に緊張の度合いを高めている。人口の6割を占めるシーア派を中心として反米闘争が激化、それに対し米国も空爆を行うなど、泥沼化しそうな状況だ。昨年3月、米英の侵略により始まった戦争は1年以上経った今も終わることなく続いていると言えよう

▼米国がいくら欺瞞的な「政権移譲」政策を推し進めようと、その破たんは明らかだ。2日の朝鮮中央通信も次のように指摘している。「今まで分散的に活動していたイラクの各反米武装勢力が、米帝占領軍を追い出す明確な目標のもと、次第に組織的な軍事行動に移ったことで、侵略戦争当時は国連と国際社会を徹底的に排撃していた米国が再び国連と国際社会に援助を請わざるをえない恥をかいている」

▼米国の目的は、中東に米国式「民主主義」体制をおしつけ、石油をはじめとする利権を確保するというものだが、「力ずく」でやろうと、欺瞞的な方法でやろうと、そのごう慢な目的自体を引っ込めない限り、朝鮮戦争、ベトナム戦争の愚を繰り返すことになるのは間違いない。それとも、武器を使えば使うほど軍需産業が儲かるからいいとでも思っているのだろうか

▼日本のマスコミを見ると、死亡した米兵の数は湾岸戦争時の3倍を上回るとか、イラク占領米軍のなかで自殺者、逃走者、精神病者が続出しているとかと伝えるが、この1年でいったいどれほどのイラクの人々が死亡したのだろうか

▼無意識であれ、米国の犯罪行為に手を貸す側にならないようにする、このことだけは肝に銘じておきたい。(徹)

[朝鮮新報 2004.4.8]