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春・夏・秋・冬

  かつてこの国の軍国主義は、「富国強兵」を国策として米英などの列強に追いつき追い越せと国民を叱咤、最後にはアジアの覇権を巡って利害が衝突、戦争に突入した。朝鮮侵略、不法な植民地化、中国侵略, 「満州帝国」ねつ造と、列強は日本軍国主義のやりたい放題、領土拡張などの行動が許せなかったのだろう。最後には、ABCD(米英中蘭)包囲網による経済制裁を取り、日本は危機的状況打開のためにと、自滅の道を進んでしまった

▼時は流れて21世紀、日本は朝鮮に対して「対話と圧力」政策を掲げ、とりわけ「圧力」手段の選択肢を多く持つべきだと、外為法を改悪、さらに万景峰号を前提にした「特定船舶入港禁止法案」を何があっても今国会に上程、成立させると意気込んでいる

▼与党に加え野党第1党も趣旨については賛成するという「大政翼賛会」の構図だから、成立は免れないだろうが、その根底にあるのは「圧力をかければ北朝鮮は必ず譲歩する」という論理だ

▼日本はABCD包囲網によって、原油をはじめ鉄鉱石、ゴムなどが不足し基幹産業はむろん、軍需産業にも致命的な影響を受けかねないと、その資源を求めて東南アジアなどに戦線を拡大していった。「窮鼠猫を噛む」である

▼この自身の体験があるにもかかわらず、「圧力が有効」だとは。今に始まったことではないが、歴史からは何の教訓も得ようとしないこの国。しかし今は、そのバックにイラクを蹂躙した先制攻撃を柱にしたブッシュ・ドクトリンが存在する。朝鮮が国防の強化を叫ぶのも当然のことだ。(彦)

[朝鮮新報 2004.4.6]