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「京都大学に民受連と呼ばれる団体があります。その民受連を中心とする運動によって、日本にある在日外国人の卒業生に大学入学資格が認められました。この運動は、井村元総長と学生の話し合いがきっかけとなったものであります。そして長尾前総長の時に、同和人権問題委員会の山崎委員長がとりまとめた報告がもとになって、ようやく広く受験資格が認められることになり、その制度のもとで、合格者を出すことができました」。3月24日に行われた京都大学の卒業式で尾池学長が述べた言葉だ ▼日本の教育法上「各種学校」として扱われている朝鮮学校に対しては、これまで国立大学受験資格が与えられてこなかったのは周知の事実。しかし、学父母、学校関係者をはじめとする同胞、日本の大学関係者、市民らの粘り強い運動により、昨年、文科省は朝鮮学校卒業生の受験については大学の個別判断に任せるとの結論を下した ▼「朝鮮学校はずし」という新たな問題を生んだものの、一定の前進ではあった。朝鮮学校卒業生に何らかの形で資格認定を与えている国立大学は83校(昨年12月12日現在)にのぼる。差別を許さない世論が氷を打ち砕いたといえる ▼京都朝高卒の資格で京大に合格した黄輝広さんは、自分の合格をきっかけに朝鮮学校出身者の受験資格を求める運動がいっそう広がってほしいと期待を込める ▼尾池学長は前述の言葉の前段でこう語っている。「人を大切にするということは、平和を愛するということにもつながり、また差別のない社会を作り上げるという考えにもつながります」。(聖) [朝鮮新報 2004.4.2] |