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春・夏・秋・冬

 「子どもはどの国にいようと汚い水や栄養失調で死なない権利を持っている」。先ごろ訪朝し、子どもたちの栄養状態、ワクチン接種率などをリサーチしてきた国連児童基金(ユニセフ)のベラミー事務局長は朝日新聞(20日付)のインタビューにこう答えている。拉致問題などとからめて「経済制裁法案」が可決されるなどの日本の状況を踏まえての言葉だろう。彼女が語るとおり、どんな理由であれ、この地球上に栄養失調で死んでもいい人間など一人もいない

▼朝鮮への人道支援については、よく「本当に当事者たちに渡っているの」と疑問視する声を聞く。そのことについてもベラミー氏は、「物資は配布リストに基づいて供給している」として、例えばワクチンは子ども向けのものを子ども用の分量でパックしており、大人には役立たないとしている。倉庫で完全に管理されているため医薬品の横流しの心配もないという

▼昨年平壌に滞在していた際、こんな話を聞いた。−「苦難の行軍」と言われた最も苦しい時期、大人たちは毎日とうもろこしの粥を食べ続けた。国全体が大変だからと大人たちは我慢した。だが、幼い子どもたちを放置することはできない。だから、どんなに苦しい時でも託児所の子どもや幼稚園児には豆乳を切らすことなく配った

▼この話を聞きながら、苦しい時ほど、思いやりを持てることに感銘を覚えた。人間ってすばらしいな、と感じたものだ

▼みんながほんの少し、他人を思いやる心を持てれば、この地球はもっとすばらしい星になるに違いない。(聖)

[朝鮮新報 2004.3.27]