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東京で桜の開花宣言があったのもつかの間、冬に戻ったかのような寒い日が続いている。うららかな春の日はいつ来るのだろうか。肌身の寒さにも増して、心にも冷たい風を吹かせる出来事が世界で相次いでいる ▼11日にスペインで起こった列車爆破事件、パレスチナのハマスの指導者ヤシン師の暗殺、イラクはいまも実質上は戦闘状態にあり毎日、多くの人々が死んでいる ▼いま、東京の駅構内のごみ箱は封鎖され、警官の姿もあちこちで目に付くようになった。すべて「テロ」を警戒しての措置だ。現実に東京の中心で大量の死者が出るような事件が起こる可能性は十分にありえる。憎しみの連鎖が広がり、世界が危険な方向へと進んでいるのはまちがいない。それが自分自身の肌身に感じるところまで迫ってきているというのが実感だ ▼「戦争をしなくてすむ世界をつくる30の方法」(合同出版)という本は、平和を叫ぶだけでは戦争を止められないこと、戦争が起こるのには原因(起こすことにより利益を得る勢力)があること、人間が起こす戦争は人間が止めることができることを明確にし、戦争防止のための30の具体的な方法を示している。肝心なのは、「平和を築く」というあいまいな運動ではなく、「戦争を起こそうとする勢力を無力化する」という焦点の定まった運動を繰り広げることである ▼それにしても最近不思議に思うのは、連敗中の競走馬ハルウララが異常人気となる社会現象である。危機感をあまり感じない人が多いのか、危機感の反動としての現象なのか。よくわからない。(徹) [朝鮮新報 2004.3.25] |