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盧武鉉大統領弾劾のニュースを聞いて、これから南の政局はどうなるのかと最初は驚き、心配にもなった。だが、その後の経緯を見ていると、むしろ盧大統領にとっては追い風になっているようだ。4月の総選挙では実質与党のウリ党が議席を伸ばすと予想されている ▼もちろん、そこには史上初めての任期途中での大統領交代によって招かれるだろう混乱を避けたいという民心が働いているだろう。だが、それよりも旧態依然とした保守勢力による盧大統領へのいじめ≠ノ対する市民なりの反発の現れではないだろうか ▼盧武鉉政権は市民の支持を得て誕生した。さらに言えば、市民らの反米気運の盛り上がりが背景にあったといっても過言ではあるまい。それもあって、中にはおもしろく思わない人もいる。それが表に現れたのが昨年末の不信任問題であり年初の外相更迭劇であったのでは、との想像も可能だ。何かが変わろうとする時、その変化を望まない勢力は必ずいる。今回の弾劾の背景にもそんな事情が見え隠れする ▼1960年代の米国の西部劇「荒野の七人」。メキシコのある農村に押しかけ略奪を繰り返す盗賊を退治すべく雇われた7人のガンマンたち。盗賊は破れたが、4人が犠牲となる ▼生き残った3人のガンマンが村を去る時の長老の言葉が印象的だ。「あんたたちはいなごのようなものだ。風のように来て風のように去っていく。しかしわしら農民は一生ここで畑を耕し続ける」。それに答えてガンマン曰く、「結局勝ったのはあんたたち農民さ」。そう、歴史は大衆が作るのだ。(聖) [朝鮮新報 2004.3.22] |