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春・夏・秋・冬

 「自分が通った朝鮮学校にプライドがある。差別は受け入れがたく、学校名をきちんと出して受験しようと考えた」(毎日新聞10日付)。今春、京大に合格した黄輝広さん(19)の喜びの言葉だ。文部科学省が、朝鮮学校出身者に対し各国立大学側の個別判断で受験資格を認める方針に転換してからの初めての合格者だ

▼日ごとに春の気配が感じられる今日この頃。つらい受験勉強を経て見事志望校に合格した人たちも大勢いるだろう。十数年前に受験戦争を経験した筆者も、その苦労は並大抵でないことは十分理解できる。それだけに、春とともに志望校の門をくぐる喜びもひとしおだ

▼受験戦争があるのは日本だけではない。本社発行の月刊誌「祖国」3月号によると、朝鮮でも受験戦争ならぬ受験競争≠ェあるという。雑誌では名門校の一つ、平壌第1中学校の受験事情を紹介している。84年に設立された同校には、朝鮮でも選りすぐりの秀才たちが受験する

▼彼らはまず、各地方ごとに行われる予備選抜試験を受けねばならない。ここで選抜された生徒たちが受験資格を得るのだが、さらに知的能力と応用能力を判定する試験を受ける。これに合格した生徒だけが、やっと入学試験を受ける資格を得られるというわけ。昨年各地から選ばれた500人のうち、入試受験資格を得たのは半分の250人。晴れて入学できるのは、さらに減って120人程度だという

▼これほど入学が大変だけに、「生徒たちの熱意と父母の関心も毎年高まっている」(「祖国」)そうだ。事情はどこも同じのようだ。(聖)

[朝鮮新報 2004.3.13]