|
既報の通り、北南経済協力推進委員会第8回会議が2日から5日までソウルで開かれた。7項目の合意文を見ると、懸案の開城工業地区開発問題、鉄道、道路連結問題推進のための具体的なアウトラインが示されたことがわかる。双方の経済交流に対する前向きな姿勢の現れだと見たい ▼開城工業地区に関する法規を見ると、土地利用(50年)、入出(無査証)、無関税、低賃金など進出企業に大きく便宜を図るものとなっている。すなわち南の企業にとって非常にうま味があるのだ。鉄道、道路の連結は、輸送費の節約、輸送期間の短縮などの経済効果はもちろんのこと、実質的に「島国」状態にあった南にとって根本的な変化をもたらすものとして計り知れない利益となる ▼朝鮮半島はその地政学的な重要性から古くから国際政治に翻弄されてきた。19世紀末からの列強大国の侵略により、国が奪われ、分断させられることとなるが、これも朝鮮半島の地政学的重要性が一つの大きな要因だといえる ▼本来、朝鮮半島の地政学的な重要性は、民族の繁栄のために利用されなければならないはずだ。朝鮮半島は、東アジア経済と世界経済のハブ地域となれる大きな可能性を秘めている。6.15共同宣言以降、着実な歩みを積み重ねている北南間の経済交流だが、これから越えなければならないハードルも高い ▼北南間の経済交流が順調に進むためには、朝鮮半島における軍事的緊張状態を解消すること、そして南側が外勢の圧力に振り回されることなく民族経済の統一的な発展という基本理念を堅持することが大切だ。(徹) [朝鮮新報 2004.3.11] |