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ソウルで開かれた北南経済協力推進委員会第8回会議。「開城工業地区を国際的な競争力をもつモデルにする」との強い双方の意志のもと、今年上半期6月までに1万坪規模のモデル工業地区で敷地造成が完了次第、各企業が入住、生産に着手できるようにする一方、年内に東海線の温井里−猪津間、西海線の開城−汶山間の可能な区間で鉄道の試験運行を行うことなどで合意した ▼先の6者会談で米国が旧態依然とした「先核放棄」論に固執し譲らず、朝米対決という現在の構図の打開にメドがつかない状況下、北南経済協力の象徴である開城工業地区開発の本格化に向けて具体的な時間表が作られた意義は大きい ▼また試験運行とはいえ、朝鮮戦争後、切断されたままの鉄路が復旧、連結され列車が行き交うということになれば、「分断の壁」は確実に崩れる。まさに画期的な出来事になる ▼とはいえ、米国の存在が南側にプレッシャーとなっているのも事実だ。北側はエネルギー不足解消のために、発電所建設を提起したが、南側の対応は消極的だった。「経済圧殺」を企図する米国の顔色をうかがったのである ▼南側のこうした対応はいまに始まったことではない。だから、2月ソウルでの閣僚級会談で北側団長は、民族和解、経済協力と南側は口ではいうものの、核心部分についてはなに一つ実行していないとこれまでになく厳しく指摘したのである。南側の背後にぴったりとくっついて離れない米国の影。「分断の壁」が本当に崩れるのは、その影を振り払った時だろう。(彦) [朝鮮新報 2004.3.9] |