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春・夏・秋・冬

 6者会談が北京で始まった。朝鮮の金桂官団長は会議の冒頭、「(核問題解決のため)原則を堅持しながらも柔軟性を発揮して協力していく」と発言した。積極的かつ踏み込んだ態度の表明であり、予想されたとおり核問題解決に向けた朝鮮の意欲がみてとれる

▼核問題だけに限らず、朝鮮がこれまで朝米関係において求めてきたものは一貫している。互いに攻撃をしないことを法的に保証する不可侵条約の締結である。これは朝鮮戦争以後、50年以上続いた米国との緊張関係を根本的に解決しようというものだ。そこに到達する過程で、朝鮮は様々に柔軟性を発揮することであろう

▼今の段階ではまだ、今回の6者会談で具体的に何かが決まるのかどうか、わからないが、90年代初から引きずってきた朝米間の核問題に一定の「形」がつくことが予想される

▼しかし、米国が朝鮮との間に真の平和を築く意志があるのかどうかが問題だ。94年にジュネーブ合意がなされたにもかかわらず、ブッシュ政権は朝鮮に対し軍事的圧力を加えつづけてきた。米国は核問題と関連し朝鮮にどのような方法で敵視しないということを保証するのか、核問題の次に「人権問題」など新たな問題を持ち出してくるのか、予断は許さないし、楽観することはできない

▼ソ連、東欧の社会主義が崩壊した以後、米国が唯一の「超大国」となり、あたかも米国の力が強くなったかのようであるが、はたしてそうだろうか。朝米間の根本問題の解決がいつになるかの予想は、米国の力をどのように見るのかによって変わってくるだろう。(徹)

[朝鮮新報 2004.2.26]