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「私たちがチマ・チョゴリを着て会場に入った途端、日本代表の表情がさっと変わるのがわかりました」。ジュネーブで開かれた国連子どもの権利条約委員会を傍聴した女性同盟オモニ代表団のメンバーはこう語った。1月末に開かれた同委員会では、日本が提出した第2回締約国報告書審議に基づき総括所見が採択されたが、大学受験資格基準の拡大、在日コリアンの子どもたちへの社会的差別の撤廃などを勧告した ▼日本の代表らが、チマ・チョゴリを着て現れたオモニたちを見て驚きの表情を隠さなかった背景に、一種の後ろめたさがあったことは十分に推測できる。のらりくらり、はぐらかしながらきちんと答弁しない日本代表の態度に、オモニたちは怒りが込み上げてきたという。しかし、差別を受けている当事者が傍聴しているだけに、日本側も相当圧力を感じたに違いない ▼今回の代表団派遣は、昨年東西に分かれて開かれたオモニ大会での意見一致を見て行われた。国立大学への受験資格獲得など、朝鮮学校の処遇改善を求める運動でつねに先頭に立ってきたのはオモニたちだ。先日、朝鮮語版でも紹介した西播初中級学校の例を見るまでもなく、「オモニ会」の活動には本当に頭が下がる ▼そこにあるのは、子どもたちへの愛情に他ならない。それはすなわち、少しでも良い環境で民族教育を受けさせてあげたいとの熱い思いだ ▼そんなオモニたちの思いが、今回勧告を出すにあたって大きな影響を与えたはずだ。遠くスイスにまで赴き精力的にたたかったオモニたちに敬意を表したい。(聖) [朝鮮新報 2004.2.16] |