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朝鮮に対する経済制裁を目的とした「外為法改正案」が9日、成立した。朝・日平壌宣言の合意事項を踏みにじるばかりでなく、一種の「宣戦布告」に他ならない。朝鮮が強く非難、反発しているのは当然のことだ。日本は対朝鮮外交において最も稚拙な方法を選んだといえよう ▼先週、地域の朝・日友好親善の集いが開かれ参加した。そこには都議会、区議会の議員らも多数顔を見せていた。集いは終始、和やかな雰囲気の中で進められ、あいさつに立ったすべての人が地域での交流、草の根的な運動の大切さを強調していた ▼衆院通過の際には共産党を除きすべての与野党が「外為法改正案」に賛成している。しかし、賛成した個々の国会議員の胸中はさまざまであろうし、ましてや日本の一般の人々の総意ではないはずだ。だが、現実には選挙で選ばれた議員の圧倒的多数の賛成により「外為法改正案」は成立する。この現実に違和感とともに怖さを感じてしまう ▼総聯中央の抗議を受けた民主党の議員は、「改正案」は外交カードのひとつで発動することはない、との内容の発言を行ったという。まったく現実感覚の欠如した発言だ。実際にはすでに、在日同胞の商業活動や朝鮮との貿易を生業とする日本人の生活に大きな悪影響が出ている。今の状況が続けば、朝鮮との人、モノ、金の流れは完全に閉ざされるのはもちろん、在日同胞の生活全般が圧迫されていくのは目に見えている ▼現実の生活に根ざした行動を、現実の生活の場から始めていく。まずここから始めていくしかない。(徹) [朝鮮新報 2004.2.10] |