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朝鮮に対する経済制裁を目論んだ外為法改正案が衆院を通過した。5日にも成立することが確実視されている。実質的論議はほとんどなされないまま、「結論ありき」のシャンシャン審議である ▼小泉首相、安倍幹事長ら日本当局は「対話と圧力」の有力な手段だという。経済制裁によって「圧力」をかければ、「核」「拉致」問題で朝鮮は必ず折れてくる、譲歩してくるという論法だ。なんと幼稚かつ現状認識の乏しい、さらには歴史経緯を無視した論法なのだろうか、とまともに相手することが馬鹿らしくなってくる ▼朝鮮は、これまで再三再四指摘してきたように1945年8月の解放後、「圧力」を受けなかったことはなかった。米国はいまだに朝鮮戦争を口実に資金、技術、商取引を禁じるという制裁措置を取っている。いっさいの往来が遮断されているのだ。米国の忠実な「僕」である日本も、その制裁に同調、実施してきた ▼今回の改正案では、日本当局が国連や米国などの措置に準じるというこれまでの歯止めを取り払い、単独で朝鮮に対する経済措置を取ることができるという点を強調している。経済制裁が戦争をも意味するということを理解してのことなのだろうか。次のステップとして、「万景峰92」号の日本入港阻止や在日同胞の祖国往来禁止などの法案を準備しているというのだから、これはもう確信犯だ ▼とすれば、02年9月の朝・日平壌宣言は何だったのだろうか。小泉首相は今なお口を開けば宣言の履行を言う。二枚舌。過去も清算していない。だから日本は信用されない。(彦) [朝鮮新報 2004.2.2] |