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ブッシュ政権がジュネーブ合意(94年)を放棄、白紙に戻す口実にした朝鮮の「濃縮ウランによる核計画」。米側のこの策略が揺らぎ始めている ▼発端は、本紙でも詳細に報じたように2002年10月、大統領特使として訪朝したケリー米国務次官補と姜錫柱第1外務次官のやりとりだ。当時、ケリー次官補は訪朝後に「姜第1外務次官にパキスタンから搬入した遠心分離機の送り状などを提示、濃縮ウランによる核計画を問い正したところ事実を認めた」と語った。「第2次核危機」の始まりである ▼ところが今月5日から訪朝、寧辺の核施設を視察したルイス米スタンフォード大学名誉教授は今回、朝鮮側から提供された当時の議事録を22日に公開した。それによると、姜第1外務次官は米国が核脅威を与え続けるなら「(自衛のために)核兵器を持つ権利がある」とは言明しているが、核計画については否定していることが確認された。ルイス名誉教授は「核計画が米側から暴露された9日後に北朝鮮は計画を否定している。最近、前言を翻したわけではない」と指摘した ▼当時、平壌に滞在していた本紙記者はこの問題について外務省関係者にインタビュー、詳細な内容を掲載したが、今回のルイス名誉教授が提供された議事録と内容は寸分も違わない ▼ルイス名誉教授らは、今回の訪朝で朝鮮側の「核抑止力」の実態を確認した。米議会でも報告したが、ブッシュ政権は今のところ無視の構えだ。自らが蒔いた種をどのように摘もうとするのか。超大国、米ブッシュ政権の能力が問われている。(彦) [朝鮮新報 2004.1.24] |