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朝米、朝・日の懸案(核、拉致)を巡る動きがここにきて活発化している ▼年初、米国の学者、議会関係者が訪朝して寧辺の原子力施設などを参観。朝鮮が昨年来指摘してきたにもかかわらず、ブッシュ政権が無視してきた「核抑止力」の現状を確認した。一行に加わっていたプリチャード前朝鮮半島和平担当特使は、ワシントンでの記者会見で「黒鉛減速炉運転再開」と「8000本の使用済み燃料棒が貯蔵プールから引き上げられていた」事実に言及した ▼ブッシュ政権が「核抑止力」の実体を認めようとしてこなかった最大の理由は、世界の核を支配、コントロールすることを外交、軍事政策の柱とするだけに、何よりもその解決を迫られるからだ。つまり朝鮮側が一貫して主張している対話による解決なのか、力(戦争)による解決なのか、態度の明確化が求められるのだ。それは政権の能力を問うことを意味するだけに、それに耐えうるだけの物がないブッシュ政権は先送りしてきてしまった ▼政権の稚拙な対応という点においては拉致問題も同じである。2002年9月17日の朝・日首脳会談、平壌宣言発表後、2週間程度の被害者の一時帰国を経て家族ともども日本に永住帰国するという話は両国の約束だった。当時の安倍官房副長官は同年11月の講演会で「日本側が1、2週間程度を要求、北が承諾した」と認めている。結果的に日本側がその約束を反故にし反朝鮮、反総聯、反朝鮮人騒動の材料に使ってしまった ▼無為に放置されてしまった貴重な1年有余。勇気ある1歩を踏み出してほしい。(彦) [朝鮮新報 2004.1.17] |