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1月12日は成人の日。在日同胞社会でもこの日に20歳を迎えた同胞青年たちを祝い、各地で祝賀行事が行われる。同じ20歳といっても、社会的な立場や考え方の違いはさまざまであるだろうが、青春という最も輝いている時代であることは確かだ ▼青春という言葉は、名前をつけるときの「トルリムチャ」でおなじみの五行説から来ている。五行説が言う万物を構成する要素、木、火、土、金、水の5つそれぞれに色と季節が当てはめられており、木は青と春、火は赤と夏、土は黄と土用、金は白と秋、水は黒と冬となっている。そこから青春、白秋などの言葉が生まれた ▼人生を1年に置き換えてみると、20歳はまさに春たけなわ。青春時代が輝くのは、無限の可能性が広がっているからに他ならない。同胞社会自体の可能性も、若い世代が今後いかにビジョンを持ち活動していくかにかかっている ▼今年、成人となる同胞青年は約6500人ほどだと推定される。このうち、コリアンとしての自覚を持ってこの日を迎えているのはどれくらいであろうか。同胞社会は世代交代が進み、日本社会は朝鮮バッシングをやめようとせずますます排他的になっていく。このような状況の中で年間の帰化者は1万人を超える。五行説では木、火、土、金、水が永遠に循環するが、同胞社会の有形無形のさまざまな財産は1度失われてしまうと、取り戻すことは極めて困難だ ▼ともあれ、20歳を迎えた同胞青年たちの前途を祝福するとともに、何よりも異国の地で子どもを無事に育て上げた父母たちにねぎらいの言葉を送りたい。(徹) [朝鮮新報 2004.1.13] |