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春・夏・秋・冬

 「どこの国でもその国の歴史や伝統、習慣を尊重することに関して、とやかくは言わないと思います」。元旦早々、電撃的に靖国神社に参拝した小泉首相はこう語り、周辺諸国に理解を求めた。だが、中国は王毅外務次官が原田臨時代理大使を呼び強い憤りを表明。南の尹永寛外交通商省も高野大使を呼んで「参拝がないよう強力に促したい」と直接的な表現で抗議。異例のことだというが、これは両国民の怒りを反映したもので、当然のことだ

▼そもそも、その国の歴史、伝統、習慣を踏みにじったのが朝鮮半島に対する植民地支配であり、中国への侵略戦争であった。靖国にはそれを推進してきたA級戦犯らが祀られている

▼小泉氏が首相として参拝したのは今回を入れて計4回。あえて8月15日の「終戦記念日」への参拝を避け、「近隣諸国に配慮」したつもりのようだが、時期が問題なのではなく、参拝自体が問題なのだ

▼とくに、今年の参拝は自衛隊のイラク派遣が日程に上っているだけに、首相自身の「決意のほど」を示す意味もあったのでは、と思わざるをえない。3日の朝鮮中央通信は、「今年、日本の軍事大国化、海外膨張策動をより本格化させようとの無謀な企てを露わにしたもの」と厳しく批判した

▼通信はこうも指摘する。「朝・日平壌宣言の精神に反して過去清算を回避する犯罪行為を見過すことはしない」。朝鮮の北半部に対する植民地清算はいまだに終わっていない。首相はその事をあらためて肝に銘じるべきだ。来年は朝鮮が日本の植民地支配から解放されて60周年を迎える。(聖)

[朝鮮新報 2004.1.6]