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佳人は花を手折り

 真珠の露に濡れた牡丹を
 佳人は手折り窓辺を行く
 笑みを浮かべ
 愛する人に聞いてみる
 「花とわたし どちらがきれい?」
 戯れに 故意に答える
 「そりゃあ花だよ」
 嫉妬に花を放り投げ
 踏みしだく
 「そう わたしよりきれいなら
 今宵は花とお眠りあそばせ」 
 
 (リ・ギュボ 1168〜1241)

 李奎報は高麗時代を代表する知性であり、大詩人であったという。「愛する人」は、原文では「檀郎」。昔、晋の国に潘岳という美丈夫がいた。車に乗り町に出ると、彼を慕う女たちが贈る果物で車がすぐに一杯になったという。潘岳の幼名が檀奴だったので、「檀郎」は夫や恋い慕う男を意味する呼称に。

 昔読んだ小説に、より愛した方が負けだという主人公の台詞があったが、これは「檀郎」の「勝ち」? それとも、あふれ出す愛情を押し隠くそうとする、「檀郎」の照れ?(朴c愛、朝鮮大学校文学歴史学部非常勤講師)

[朝鮮新報 2004.11.24]