炉に湯が沸き 軒先ではかささぎが鳴く 身支度を整えた老妻が 汁の塩梅をみる 陽は高く 布団は暖か 天と地の間の 小さな私なぞ なに まだ寝ていてかまうまい (リ・セク 1328〜1396)
高麗末の文臣。この季節、朝の布団がことさら心地よい。朝食の支度をする妻の気配を感じながらまどろむひとときは、幸福このうえないことだろう。穏やかな日常への愛着。一度でいいからそんな朝を迎えたいわと言う、妻や母の声が聞こえてきそう。いや、時代は変わる。朝食は夫の役目と笑う、教え子もいるのだから。(朴c愛、朝鮮大学校非常勤講師)
[朝鮮新報 2004.11.10]